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歴史的にみると、アラビア文字の普及と装飾書体の誕生はどちらもイスラームの拡大と深く結びついている。
コーランを文字によって伝える必要から、文字を美しく、神の言葉としてふさわしいものをするために芸術としての能書術が生まれた。
またイスラームでは神をいかなるかたちでも描く事を禁じたので、いっそう装飾書体の発展をうながし、芸術の域にまで高める結果となった。
イスラム諸国ではそれぞれ独自の装飾書体が発達した。伝統芸術でもある能書術は、現在のモロッコ社会でも重要な役割を果たしている。
10世紀に生まれた装飾書体
▼様々な装飾書体
10世紀にオリエントのイブン・モクラーが装飾書体の規則を確立したと言われている。しかし年を経るにつれ、多くの書体が生まれ、それぞれが特定の用途をもっている。
角ばって硬い感じのする初期の文字に代わって、クーファ体(※)と呼ばれる非常に洗練文字が急速に広まり、この文字はコーランを書写するときに使われる唯一の文字となった。
※クーファのマグレブ式の変形書体もある。マグレブ式書体は、クーファ体の形をさらに崩したもので、柔らかさが増している。約6種類の書体があるが、現在本や新聞などで最も普通に使用されているのはナスヒー体である。
モロッコでも11世紀ころから独自の芸術的な装飾書体が発達した。マグレブ式書体の特徴は軽やかさと優美さで、曲線は繊細で非常にエレガントで、輪の部分には丸みがある。



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